この度、アクアリウム歴およそ30年の筆者が、初めて海水魚飼育に挑戦することになったので、その様子を紹介します。
今回挑戦するのは、プロテインスキマーやサンゴ育成用の照明など特別な設備を必要としない、比較的飼育難易度の低い生体を対象としています。使用する設備は淡水飼育とほぼ同じ(今回は淡水にも使用できる一体化水槽を使用しています)ですので、ここで改めて設備・機器の説明はしません。
アクアリウムの基礎的な知識については、別の記事を参考にしていただければと思います。
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海水魚飼育を始めるに至った経緯
ここは興味のない方は飛ばしていただいて結構ですが、アクアリウム歴30年で一度も手を付けなかった海水魚飼育を、なぜ急に始めることになったかという経緯をお話ししたいと思います。
事の発端は、家族でホームセンターに買い物に行ったことです。店頭で販売されている金魚をみて「金魚飼いたいなー」という話になり、現在家にある水槽には入れられないからまず水槽を用意しないと、という流れになりました。そこで展示されている水槽を見てみると、偶然在庫処分で特価で販売されていた一体型水槽があり、衝動的にそれを購入することになりました。そこで購入した水槽が、テトラの『LEDアークアクアリウム ARC-43』です。
私はこれまで、一体型水槽というものを購入したことがほとんどありません。その理由として、
- 汎用性がない
- 照明やフィルターなど、一部が壊れると全てが使えなくなる
- フィルターなどの消耗品が特別仕様であることが多く、ランニングコストが高くなる
などが挙げられます。
では、なぜ今回この商品を購入するに至ったかというと、金額が衝撃的に安かったためです。その価格はなんと、2,700円!
このときのチャームさんの価格が9,000円以上だったことから考えても、破格だと思います。ということで、機能や使いやすさは二の次で、まずこの水槽を購入することが決定しました。
この水槽、購入してみて思ったのですが、スタイリッシュで濾過槽もそれなりに広く、思ったより良いです。濾過槽にヒーターを入れることができ、排水パイプもないので、水槽内がかなりすっきりします。そうなってくると、普通に金魚を飼うのではなく、これまで飼ったことのない魚にチャレンジしたいと思えてきました。
そこで思いついたのが、マリンアクアリウムでした。
実はこの水槽、照明に青色LEDが使われていて白と青の切り替えができます。
①青色の照明、②ヒーターを隠せる、③ストレーナーがない。
もう、イソギンチャクを飼うのにピッタリじゃないですか? ということで、この水槽を購入したことにより急遽、『カクレクマノミとイソギンチャクの共生』にチャレンジすることとなりました。
飼育する生体と使用する水槽
経緯のところですでに発表していますが、今回立ち上げる水槽のテーマは『カクレクマノミとイソギンチャクの共生』です。
使用する水槽
今回使用する水槽は、テトラの『LEDアークアクアリウム ARC-43』です。
レイアウト素材
レイアウトは定番のライブサンドとライブロックを使用し、短期間での水質安定を狙います。
飼育する生体
- カクレクマノミ 2匹
- サンゴイソギンチャク 1匹
- おまかせプチサンゴ(ソフトコーラル) 2体
- アカツメサンゴヤドカリ 1匹
水槽立ち上げ
水槽設置およびレイアウト
まず、水槽の設置ですが、一体化水槽なので特別なセッティングはありません。
購入時にろ材としてバイオボールが付属していましたが、正直バイオボールで生物ろ過できる想像がつかないので、サブストラットに交換しました。取り出しやすいように洗濯ネットに入れています。
また、濾過槽内にヒーターも入れています。
その上にライブロックを組みます。形状おまかせ1kgで届いたのがこちら。アーチを組みたかったのですが、板状が二つあり無理だったので、積み上げることにしました。
通常、別容器でキュアリングを行うらしいのですが、見た感じシャコやカニは見当たらず、臭いも問題なし。水槽立ち上げ時なので、何かついていてもそれはそれで良いかと思ったので、そのまま導入しています。
生体導入
上のレイアウト作製から1週間、生体を導入しました。
まずはサンゴイソギンチャク。チャームさんで購入したもので、届くまで色は分かりません。袋に入っているときはベージュ系で少し残念に思ったのですが、水槽に入れると緑になりました。
続いておまかせプチサンゴとして注文した2点を水槽に導入。今回届いたのは、『スターポリプ』と『ツツウミヅタ』でした。こちらも水合わせを行い水槽に導入しました。
この後、カクレクマノミの導入となりますが、ここで重大発表です。
この水槽のテーマは、『カクレクマノミとイソギンチャクの共生』ですが、自然界ではカクレクマノミはサンゴイソギンチャクとは共生しません。クマノミにはたくさんの種類があり、それぞれ共生するイソギンチャクが決まっています。カクレクマノミは通常、ハタゴイソギンチャクやセンジュイソギンチャクと共生し、サンゴイソギンチャクには入らないとされています。
ただ、他のサイトでも紹介されている通り、飼育下ではカクレクマノミがサンゴイソギンチャクに入ることがあります。しかし、可能性があるというだけで、必ず入るわけではありません。入らないこともありますし、入るとしてもかなり時間がかかることが多いようです。そのため、今回の水槽でも、ある程度時間をかけて見ていきたいと思っています。
さて、前置きが長くなりましたが、カクレクマノミ2匹の導入です。
あれ⁉ もう入ってます??
そうなんです。今回、カクレクマノミを水槽に入れてから周辺を片付けているわずか数分の間に、すでにサンゴイソギンチャクに入っていました。
入った瞬間も見れないほど一瞬のことでした。その後も全く出てくることなく、この日ずっとイソギンチャクの中で過ごしていました。
最後になりますが、アカツメサンゴヤドカリも導入。警戒しているのか、隅に陣取りあまり動きません。
数時間後にはスターポリプとツツウミヅタも徐々に開き始めました。明日どうなっているか楽しみです。