以前は水槽といえば60cmサイズが標準、45cmでも小型に分類されるのが通常でしたが、30cmキューブが人気となってからどんどん小型化が進み、今では10cmキューブまで販売されるほど、市場は様変わりしました。一般的に水槽が小さくなるほど水質や水温を維持するのが難しくなるので難易度は上がるのですが、価格が安く初めての方が気軽に手を出せるという点で、アクアリウムを始めるきっかけになればいいなと思っています。
そんな中最近では、インテリア性が重視された、円柱形や球形、しずく形などの水槽が販売されるようになってきています。特に、gexの『グラスアクアリウム』シリーズは、価格が手ごろで入手しやすく、関連商品も多く出ているので、インテリアとしてアクアリウムを始めたいという方に、非常におすすめな商品です。今回は、このグラスアクアリウムシリーズの『スフィア』を使って、誰でもできる簡単な水草水槽の立ち上げ方法を紹介したいと思います。
準備するもの
水槽
今回使用する水槽は、先にも書いた通り、gex 『グラスアクアリウム スフィア』です。
水槽容量は約4.5Lとなります。4.5Lというサイズは、水槽としてはかなり小型の部類になりますが、幅が20cm以上あるので、見た目それほど小さくは見えません。インテリアとして、それなりの存在感を出せると思います。
照明
魚を飼うことだけを考えれば、照明は特に必要ありませんが、水草を植えるのであれば照明は必要になります。今回は、下の写真のような植物育成用LEDの下に置くので、この水槽専用に照明は準備していません。
ちなみに、こちらの植物育成用LEDについては、下記の記事で効果検証しているので、是非そちらもご覧ください。
今回の記事では、植物育成用のLEDと屋外(直射日光ではなく明るい日陰)で、植物の育成速度の比較を行いたいと思います。このブログではこれまでに、植物育成用のLEDを幾度となく勧めてきました。これは私が実際に使用した結果、十分な育成効果[…]
専用の照明を準備する場合は、下記の照明(リーフグロー)が見た目が良く、光量も十分なのでお勧めです。
ろ過フィルター
ボトルアクアの場合、フィルターを使わず水換えだけで維持することも可能ですが、フィルターがあった方が維持が簡単になります。魚を入れず水草だけという場合でも、水の流れがあった方が水草の成長が早くなるので、フィルターの利用をお勧めします。
ボトルアクアの場合、大きなフィルターを付けるスペースがないので、小型の底面フィルター一択になります。水槽、照明同様、gexから販売されている下記のフィルター(ピコロカ)が使いやすいと思います。
底床
今回は水草水槽ということでソイルを使用します。ソイル以外でも大丈夫ですが、底面フィルターを使用する場合、細かすぎる砂はフィルターに吸い込まれるため使用できません。ソイルを使う場合でも、細かすぎるものはフィルターが詰まりやすくなるため、ウールマットを敷いたり、粗いソイルを敷いた上にパウダーを敷くなどすると、フィルターが詰まりにくくなると思います。
立ち上げの流れ
ここからは、立ち上げの流れを実際の写真とともに説明します。
フィルター設置
まずは、水槽に底面フィルターを設置します。
ポンプの排水部分ですが、商品には延長パイプや流量調節弁がついており、水槽の一番上くらいまで伸ばすことが可能です。L字パイプももう一つついているので、横向きに排水することもできます。ただ、今回は、あえて付属の延長パイプを使用せず、吹き上げ式で使用することとします。
ソイル投入
続いてソイルを投入します。フィルターの目詰まり防止のため、ノーマルタイプを使用しています。
その上に適当な石を配置して、パウダータイプのソイルを追加します。ボトルアクアのような小さな水槽では、より細かいソイルの方が、見た目は良いと思います。
注水、水草植栽
続いて注水した後、水草を植栽していきます。CO2添加無しでも育つ水草のみ使用します。今回は、チャームさんのビギナー3点セット(アマゾンチドメグサ、ハイグロフィラ・ポリスペルマ、ルドウィジア レペンス”ルビン”)+アヌビアスナナを使用しています。
水草植栽直後
今回は、使用した水草が水上葉で状態も良かったため、節の間隔が広すぎて小型水槽で植えるとかなりスカスカな感じになりました。時間の経過とともに水中葉が展開して密生していくと思います。
参考(2週間後)
上の写真で終わるとさすがに・・・という感じだったので、参考として2週間後の様子を上げておきます。
立ち上げ時から水草は追加していませんが、これくらい増えてきますので、初期のスカスカ感はそれほど気にしなくて大丈夫です。また、コケ対策も含め、生体としてレッドファイアーシュリンプを入れています。
メンテナンス
日常のメンテナンスですが、週に1~2回、1Lくらい水換えしています。水質の悪化というよりは、水草に二酸化炭素を供給するために行っています。二酸化炭素の供給を目的として水換えする場合は、当然ですが、照明が点灯している時間帯に行いましょう。
ガラス面掃除のお勧め商品
ボトルアクアのような曲面水槽では、ガラス面の掃除にスクレーパーを使用できません。また、容器の口が小さいので、手を入れるのも困難です。
ガラス面の掃除には下記の曲面用マグネットクリーナーを使用することをお勧めします。
注意点
ボトルアクアに限らず、小型水槽全般に言えることですが、生体の入れ過ぎには注意しましょう。水量が少ないため、水質の悪化は早いです。餌のやりすぎなどで水質が急変すると、一瞬で崩壊する可能性もあるので注意が必要です。小型水槽の良いところは小回りが利くところなので、異常があればすぐに水換えするなどの対応をしてください。
考え方としては、週に1回半分水換えするのではなく、毎日コップ一杯水換えするようなイメージが良いと思います。
成長記録
立ち上げからおよそ2か月後
立ち上げから2か月、メンテナンスは週に1~2回の水換えと、水面まで伸びた水草を2回ほど切り戻ししました。水草の成長は早くはないですが、コケの発生もなく順調に維持できています。
まとめ
以上、簡単に説明しましたが、実際の立ち上げも簡単です。必要なものが揃っていれば、1~2時間で十分できると思います。気軽にできることが小型水槽の最大のメリットなので、興味を持たれた方は、是非初めて見てください。
また、この水槽の今後についても、別の記事で紹介していきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。