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水質とは何か? アクアリウムで注意すべき項目

アクアリウムの世界では、度々『水質』という言葉が使われます。「水草が好む水質に合わせる」とか「餌のやり過ぎで水質が悪化する」など、誰でも一度は目にしたことがあるはずです。では、『水質』とは具体的に何のことなのでしょうか?ここでは、アクアリウムで注意すべき水質に関する項目を解説します。

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水質の一般的な意味

一般的に『水質』とは何を指すのでしょうか?

辞書を調べると様々な言葉で説明されていますが、要約すると、

溶けている不純物を含めた水の性質または不純物の量

ということになります。すなわち、水自体の性質に限らず、水に溶けているものの影響を大きく受けるということです。

従って、水質検査を行う場合は、水に溶けているものの特定、および溶けている量の測定を行うのが一般的です。

アクアリウムにおける水質とは?

アクアリウムにおいて水質というと、基本的には水槽内で増減する物質についての話であり、魚や水草に悪影響を与える物質が増えることを、「水質が悪化する」と言います。

では、アクアリウムで使われる水質を示す指標について見ていきましょう。

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pH

pHとは、水の中に存在する水素イオンの量を表す指標です。水中に存在する水分子の一部は電離して水素イオン\(H^{+}\)と水酸化物イオン\(OH^{-}\)に分かれています。何も溶けていない純粋な水では、\(H^{+}\)と\(OH^{-}\)の数は同じです。このときの\(H^{+}\)の濃度は、\(1\times10^{-7}\)mol/Lであり、pHは『7』です。

ここに何かしらの物質が溶けることで、\(H^{+}\)の量が変化することがあります。\(H^{+}\)が増えるとpHは7より小さくなり、これを『酸性』と言います。逆に\(H^{+}\)が減るとpHは7より大きくなり、『アルカリ性(塩基性)』と言います。

pHについては別の記事で詳しく書いていますので、そちらをご覧ください。

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硝酸塩、亜硝酸塩、アンモニア

これら三つは関連する物質なので、まとめて説明します。

硝酸塩の『塩』は「えん」と読みます。「しお」とは全く別のものなので区別してください。

塩(えん)とは、陽イオンと陰イオンがイオン結合した化合物のことであり、硝酸塩とは、硝酸イオン\(NO_3^{-}\)とナトリウムイオンなどの陽イオンが結合したものです。従って、硝酸ナトリウム\(NaNO_3\)も硝酸カリウム\(KNO_3\)も硝酸塩になります。しかしながら、これらの物質は水の中では電離して、硝酸イオンとナトリウムイオンなどに分かれて存在するので、通常水槽内に硝酸塩はほとんど存在しません。しかしながら、アクアリウムの世界では何故か、硝酸イオンや亜硝酸イオンのことを『硝酸塩』『亜硝酸塩』と呼ぶことが多いです。Tetra社の試験紙でも、『\(NO_3^-\)(硝酸塩)』と当然のように書かれています。

アクアリウムの世界では、このようなことがしばしばあるので、細かいことは気にしない方が良いかもしれません。

話が脱線しましたが、硝酸塩・亜硝酸塩・アンモニアというのは、全て窒素化合物になります。アンモニアは刺激臭のある気体で、水に溶けやすい性質があります。また、多くの生物にとって有害で、水槽内に蓄積すると魚の健康を害します。

しかし、水中にはアンモニアを酸化して亜硝酸に変える『ニトロソモナス』というバクテリアと、亜硝酸をさらに酸化して硝酸に変える『ニトロバクター』というバクテリアが存在し、これらのバクテリアの働きによって、魚の排泄物に含まれる有毒なアンモニアは、比較的無害な硝酸に変えられます。この働きをアクアリウムでは『生物ろ過』と言います。

水槽で魚を飼育する際は、この生物ろ過がしっかり働いているかが非常に重要になります。生物ろ過が十分働いているかは、アンモニウムイオン、亜硝酸イオン、硝酸イオンを測定することで確認することが出来ます。生物ろ過がしっかり働いている水槽では、アンモニウムイオンや亜硝酸イオンはほとんど検出されません。検出されるということは、それらを処理するバクテリアが十分存在していないということになります。

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硬度

硬度とは、カルシウムイオンとマグネシウムイオンをどれだけ含んでいるかを示す指標です。硬度は少しややこしいので、別の記事で説明します。

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リン酸塩

硝酸塩同様、こちらも『リン酸イオン』と書く方が良いかもしれませんが、細かいことは気にしないでください。

リン酸は硝酸とは異なり、魚への毒性という点で取り上げられることはほとんどありません。では何に影響するかというと、

  • pHの緩衝作用
  • 水草の肥料
  • コケの発生原因

以上、3点です。これらについても別の記事で紹介してますので、そちらを参考にしてください。

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塩素

塩素はご存じの通り、殺菌目的で水道水に添加されています。したがって、水道水をそのまま水槽に入れて使用すると、塩素の殺菌作用によってバクテリアが減少したり、飼育している魚やエビにも影響が出ることがあります。

通常、水道水に含まれる塩素以外で、水槽に塩素が添加されることはありません。また、水道水に含まれる塩素もそれほど長い期間殺菌作用を持ち続けるわけではありませんので、アクアリウムの水質チェックで塩素を測定する必要はありません。水換え時にハイポなどで中和しているのであれば、それで十分です。

お勧めするわけではありませんが、私は水換えの時も塩素の中和はしません。立ち上げ直後の水槽は中和した方が良い気がしますが、長期維持している水槽は、水道水をそのまま入れてもほとんど影響がない気がしています。水槽中にハイポの代わりをする物質が存在しているのかもしれません。(根拠はないので、自己判断でお願いします)。

水質を簡単に測定する方法

このように、アクアリウムでは注意すべき水質(成分)がいくつもあります。これらを一つ一つ測定して確認するのは非常に手間がかかります。そこでお勧めしたいのが下記の製品です。

このテトラの『6 in 1』は、試験紙を水槽に浸すだけで、pH、KH、GH、硝酸塩、亜硝酸塩、塩素を短時間で測定することが可能です。使い捨てはもったいないと思うかもしれませんが、25枚入りですので、これ一つ買えば月2回測定しても1年間測定することができ、コスパは非常に良いです。持っていて損することはない製品だと思いますので、是非一度お試しください。

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