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色の不思議 アクアリウム用照明の選び方

人間は様々な『色』を認識できます。しかし、そもそも『色』とは何なのでしょうか? 同じものを見ていても、周りの明るさや環境によって違う色に見えたり、また、生き物によって認識できる色が異なるとも言われています。

『色』というものが何なのかを理解することによって、アクアリウムや植物育成で使用する照明への考え方が格段に違ってきます。

今回は、色とは何かと、アクアリウム用の照明の選び方について解説します。

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同じ色に見えても実際は違う光の性質

誰しも子供のころに絵の具で絵を描いたことがあると思いますが、大抵の人は、限られた色の絵の具を混ぜ合わせ、新しい色を作った経験があるのではないかと思います。例えば、赤と緑を混ぜて黄色を作ったり、赤と青を混ぜて紫を作ることが出来ます。

話は変わりますが、皆さんは『虹』を見たことがあるでしょうか?普通に生活していれば、年に数回くらいは虹を目にする機会があると思います。虹は7色とよく言われますが、実際には赤から紫までグラデーションになっており、何色と分けることはできません。

今、上の話の中で『紫』という色が2回出てきました。人間の眼で見ると同じ『紫』ですが、光の特性を比較すると全く異なる光になります。

どういうことかわかるでしょうか?

虹は光を波長別に分解したもの

虹の画像

太陽光には様々な波長の光が含まれています。ヒトの眼に見えない波長の光も含まれていますが、ここでは一旦置いておきます。

ヒトの眼で認識できる光の波長は800~400nmの範囲であり、その範囲の光を『可視光』と言います。『虹』は、この可視光が雨などの水滴によって波長別に分けられ、一定の場所からは一定の波長の光しか眼に届かなくなることによって生じます。要は、800~400nmまでごちゃごちゃに混ざっていた光が、水滴というフィルターを通すことによって、800nm(赤)から400nm(紫)まで整列して見えるということです。

すなわち、虹の端に見える紫の光は、400nmの波長を持った単色の光ということになります。

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ヒトの眼が認識する色

RGB照明

さて、虹は可視光を波長順に並べたものと言いましたが、ヒトが虹を見たとき、全ての波長の光を個別に色として認識しているわけではありません。

人間の眼には、赤・緑・青の三つの『錐体』というものがあり、これが光に反応することよって色を認識しています。言い換えると、ヒトの眼は、赤・緑・青の三色しか認識することが出来ず、この三つの錐体が反応した割合(組み合わせ)によって多くの色を認識しているということです。

光の三原色(赤・緑・青)で全ての色を再現できると言われるのは、ヒトの眼ではその三つ組み合わせでしか色を判断していないためであり、この三つ以外の錐体を持つ生物には、赤・緑・青の組み合わせでは再現できない色が見えていることになります。

上で述べた赤と青の絵の具を混ぜ合わせて作った紫は、紫の単色光(400nm)ではなく、赤(700nm)と青(435.8nm)の光が混ざったものであり、このどちらの光を見た場合でも、ヒトの眼は同じ『紫』と認識してしまうということです。

※実際に絵の具で色を作る際は、『光の三原色(赤・緑・青)』ではなく『色の三原色(シアン・マゼンタ・イエロー)』で作ります。これは、光は足し算で色を作るのに対して、絵の具などは引き算(赤を吸収して緑+青を反射するなど)によって色を作るためです。
光と色と

光の波長と光合成

 

珊瑚の蛍光たんぱく

さて、ヒトの眼には同じ色に見えても、光の波長が異なる場合があることはご理解いただけたかと思いますが、これがなぜアクアリウムの照明に関係するのでしょうか?

実は、魚などの生体を飼育するだけなら、光の種類はそれほど大きく影響しません。魚が綺麗に見えるお好みの照明を選んでいただければよいかと思います。

照明が大きく影響するのは、水草や珊瑚、イソギンチャクなどを飼育・育成するときです。水草は言うまでもなく、珊瑚やイソギンチャクと共生している褐虫藻という藻類は、光合成を行ってエネルギーを生み出しています。

詳しいことは省略しますが、これらが光合成を行う際に利用できる光の波長は決まっています。光が持つエネルギーは、その光の波長と関係があり、特定のエネルギーを持った光でなければ光合成が出来ません。

また、一部の珊瑚やイソギンチャクは、400nm前後の光によって蛍光を発する緑色蛍光たんぱく質を有しており、この働きによって褐虫藻を誘引することが分かっています。

すなわち、赤(700nm)と青(435.8nm)の光を組み合わせて出来た紫の光ではなく、実際に400nm前後の波長を持った光でなければ、珊瑚の蛍光タンパク質は発光できず、珊瑚が元気に育たないということになります。

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まとめ

アクアリウムで水草や珊瑚を育成する際は、単純に光量だけを見るのではなく、水草や珊瑚が必要としている波長を発しているかが重要であることがお分かりいただけたかと思います。

最近のLED照明は、光のスペクトルを開示しているものが多くなってきていますので、それらを参考にして、信頼できる照明を選択しましょう。

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