先日、コケ対策用品の検証ということで、テトラ『アルゴストップ』の効果検証結果を報告しました。
アクアリウムをやっていて最も困るものと言えばやはり『コケ』だと思います。そしてそれを証明するかのように、数多くのコケ対策用品が各メーカーから販売されています。しかし、これらのコケ対策用品、使ってはみたものの効果が実感しにくか[…]
今回は検証第2弾として、同じくテトラから発売されている製品『コケブロック』の効果を確認したいと思います。
これまで私の中で、コケに効く製品というのは即効性があり、投入直後から直ちに効果が見えると勝手に思い込んでいました。コケ対策としてよく知られている『木酢液』や『オキシドール』、『クエン酸』などが、コケに噴射した直後からコケの色が変わり効果がすぐ見えるため、他の製品についても同様に考えていたのですが、園芸で除草剤を使用する中で除草剤の中には効果が出るまでに時間がかかるものがあることを知り、アクアリウムのコケ対策用品にも、水草には大きな影響を与えず時間をかけてコケを抑制するものがあるのではないかと思ったことから、今回の検証を行うこととしました。
今回はテトラの『コケブロック』という商品で、その効果を検証したいと思います。この商品はアルゴストップとは異なり、コケを防ぐだけではなく、すでに発生しているコケを減らす効果を謳っています。また、水草や甲殻類、ナマズにも安心と書かれていますので、それらが入った水槽で検証を行いました。
※今回の結果は、私の飼育条件で使用したあくまで結果の一例であるため、参考としてご覧ください。
検証する商品『コケブロック』の紹介
今回検証する商品は、テトラの液体添加剤『コケブロック』です。添加剤ということで、専用のフィルターや濾過槽への投入などは必要なく、様々な水槽で簡単に使用できます。
効果は『コケ抑制』+『コケ減少』で、すでにコケが発生してコケにどれだけ効果があるかがポイントとなりそうです。今回はかなりコケが発生してしまっている水草水槽で検証します。
検証で使用する水槽
コケブロックの効果を検証する水槽はこちらです。
石
コードとガラス面
今回は、水草水槽をリセットし新たに立ち上げる様子をお伝えしたいと思います。新しい水草水槽の構成としては、『底面フィルター』、『ソイルと化粧砂の敷き分け』で行きたいと思います。水草水槽といえば外部フィルターですが、水槽の設置場所の関係[…]
検証の条件
コケブロックの添加方法と使用量
- 毎週1回の水換え後に対策時の規定量を添加(水10Lに対して5mL添加)
水温
- ヒーターで24℃前後を維持
水槽
- 60cmレギュラー
フィルター
- 底面フィルター
水槽レイアウト
- ソイルと化粧砂の敷き分け
- 炭酸カルシウム含有量が多いと思われる白い石を多数使用
生体
- 小型カラシン、メダカ、コイ 合わせて~10匹
- コリドラスピグミー 5匹
- オトシンクルス 3匹
- ヤマトヌマエビ ~10匹
- ミナミヌマエビ繁殖中
- サイアミーズフライングフォックス 1匹
メンテナンス
- 水換え:週1回 1/3
- 検証中はガラス面などのコケ取りはせず放置
検証開始前の状況
- ロタラのトリミングを一気に行ったため、水草にコケが大量発生。
- 白い石を多数使用しているため硬度が高めで黒髭ゴケ発生中。pHも徐々に上昇するので添加剤で定期的に下げている。
- ガラス面の掃除は2~3週間に一度。
検証結果
ここからは、実際に使用した結果の報告です。
検証開始時
石
コードとガラス面
検証開始から1週間後
石
コードとガラス面
検証開始から2週間後
石
コードとガラス面
コケブロックの添加を始めてから2週間、見てもらった通り、コケの量にほとんど変化はありません。ただ、コケは減ってはいませんが、増えてもいません。抑制効果という意味では効果が出ていると思います。
また、分かりにくいと思いますが、このあたりからコードやチューブについていたコケが徐々にではありますが減り始めました。コケブロックによって減ったのか、コケの成長が止まっている間に、コケ取り生体が食べたのかは分かりません。
検証開始から3週間後
石
コードとガラス面
コケが大量についていた水草については、どうにもなりそうになかったのでカットしました。水草に新たにコケがついているということはなさそうです。コード、チューブについていた緑のコケは明らかに減ってきていますが、黒髭ゴケは全く減る気配がありません。
検証開始から4週間後
石
コードとガラス面
検証開始から5週間後
石
コードとガラス面
5週間経過しました。石についた黒髭ゴケは一向に減る気配はありませんが、それ以外のコケについては、かなり減ってきていると思います。水草は綺麗な状態で成長していますし、コードやチューブも黒髭ゴケを残してほぼ綺麗になりました。今回挙げている4つの写真以外でも、例えば化粧砂の表面に出ていたコケなどはかなり減っています。水槽立ち上げ直後から『コケブロック』を添加していたら、綺麗な状態で化粧砂を維持できていたのではないかと思うほど、状態は良くなっています。
まとめ
最後に検証開始時と5週間後を並べて比較したいと思います。
全体
写真の撮り方が違うので分かりにくいかもしれませんが、水草についていたコケは、トリミングした部分以外もかなり減って綺麗になっています。検証の期間中は肥料添加していないので水草はそれほど成長していませんが、コケブロック添加による水草への影響はほとんど見られず、ロタラ、テンプルプラント、ミクロソリウム、ヘアーグラスなど、新芽を出しています。
また、特に大きな違いが確認されたのは水槽の左半分で、ヒーターやチューブについていた緑色のコケはほぼなくなりました。また、化粧砂の表面を覆っていたコケもなくなり、サラサラな状態に戻っています。
一方、ほとんど効果が見られなかったのが、石についている『黒髭ゴケ』です。
上の写真を見ても分かる通り、この5週間で更に大きく育っています。この炭酸カルシウムを多く含んでそうな白い石を使用している時点で、黒髭ゴケにかなり有利な条件になってしまっているので、これを改善しない限りはいくらコケ抑制剤を使用しても、黒髭ゴケを撲滅することは出来なさそうです。
考察
新たに発生するコケの抑制効果
1か月以上継続使用した結果、本製品が新たに発生するコケへの抑制効果は、非常に大きいと感じました。これまでこの水槽で肥料を添加していない期間でも、ガラス面には若干コケが出ており、2~3週間に一度はガラス面を掃除しないと気になる状態でした。しかし、この検証の期間は、ガラス面にもほとんどコケが発生せず、綺麗な状態を維持することができました。
すでに発生しているコケを減らす効果
すでにコケが発生している場合にそれを減らす効果については、今回の検証だけでは判断は難しいです。本水槽ではエビやフライングフォックスが相当量入っており、それらの働きによってコケが減った可能性があるので、コケ取り生体無しでもコケが減るかは分かりません。ただ、これらの生体は今回の検証前から入っており、本製品がコケの成長を抑制したことにより、コケの成長<コケ取り生体の仕事量 となったのは間違いありません。この製品を使用することで、より少ないコケ取り生体でコケを除去することが出来そうです。
生体、水草への影響
今回の検証期間、生体が調子を崩したり、水草の成長が止まるといったことはありませんでした。検証は出来ていませんが、ウイローモスやリシアなど、よりコケに近いものには影響があるかもしれません。
結論
今回検証したテトラ社の『コケブロック』について、水草や生体に大きな影響を与えることなくコケを抑制、またコケ取り生体との併用でコケを減らす効果があることが確認できました。水草水槽にもお勧めできる商品だと思います。
コケに困っている方は、一度使用を検討してみてください。