アクアリウムをやっていて最も困るものと言えばやはり『コケ』だと思います。そしてそれを証明するかのように、数多くのコケ対策用品が各メーカーから販売されています。
しかし、これらのコケ対策用品、使ってはみたものの効果が実感しにくかったり、使わなくても同じ結果になったのではないか、という疑念がどうしても残ってしまい、継続使用につながらないことが多いのではないでしょうか。かく言う私も、過去に何度かコケ対策用品を使用したことはあるものの、効果を実感できたことがなく、基本的にはコケ対策用品を使用しない維持を心掛けています。
更に言えば、以前からよく言われることとして、「コケを抑制する成分は、少なからず水草の成長を阻害する」というのがあり、水草水槽では使用しにくい印象を持っていました。しかし、最近園芸を始めてある経験をしたことで、別の考えを持つようになりました。
その経験とは、庭の雑草対策として使用する除草剤が、ゼニゴケなどの苔に全く効かなかったということです。私が使用している除草剤は非選択性で、噴霧した植物は基本的に全て枯れます。しかし、この除草剤を苔類にかけても全く枯れないのです。枯れないどころか、勢いを増して一面苔で覆われることすらあります。また、逆も然りで、苔類用の除草剤は庭に植えている植物を枯らさないということも経験しています。こういった経験から、アクアリウムでも水草に影響のないコケ対策用品というものがあっても不思議ではないと思えるようになりました。
そこで今回は、アクアリウム用品の大手ブランド『テトラ』から販売されているコケ対策用品『アルゴストップ』を実際に使ってみて、その効果を検証したいと思います。
※今回の結果は、私の飼育条件で使用したあくまで結果の一例であるため、参考としてご覧ください。
テトラの別のコケ対策用品『コケブロック』の検証は下記にあります。
先日、コケ対策用品の検証ということで、テトラ『アルゴストップ』の効果検証結果を報告しました。 [sitecard subtitle=関連記事 url= https://nature-at-home.com/2022/02/26/aqu[…]
検証する商品『アルゴストップ』の紹介
今回検証する商品は、テトラの外掛けフィルター用ろ材『アルゴストップ』です。標準サイズとJr.サイズがありますので、使用する外掛けフィルターに合わせて選んでください。外掛けフィルターは設置・撤去が簡単なので、メインのフィルターとしての使用だけでなく、コケ対策として一時的に追加することも出来ます。
効果は『コケ抑制』であり、すでにコケが大量発生している場合は先に除去するよう記載されています。が、今回はコケを除去しないまま検証します。
検証で使用する水槽
アルゴストップの効果を検証する水槽はこちらです。
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検証の条件
水温
- オートヒーターで26℃固定。
水槽
- レグラスポニックス300H。水量23L。
フィルター
- 水上のプランツボックスにソイルを使用しており、底面フィルターと同等の効果
- 外掛けフィルター:テトラ『OT-30 クリスタル』+『アルゴストップJr.』
水槽レイアウト
- 水中:溶岩石、化粧砂、フェイクグリーン。
- 水上:もみじの盆栽と苔類のみ。栄養吸収能力は期待薄。
生体
- グッピー大小合わせて20~30匹
- コリドラス2匹
- オトシンクルス1匹
- ミナミヌマエビ繁殖中
- ピンクラムズホーン2匹
メンテナンス
- 水換え:週1回 1/3
- 検証中はガラス面などのコケ取りはせず放置
検証開始前の状況
生体が過密であるため、週1回1/3の水換えを継続していても、ガラス面や底面に緑のコケが発生。2~3週間で水槽内が見えにくくなるため、ガラス面の掃除は必須。
検証結果
ここからは、実際に使用した結果の報告です。言葉での説明の前に、まず1週間ごとの写真を並べてみます。(検証1週間後のみ撮影を忘れていましたので、ありません。)
検証開始時
検証開始から2週間後
検証開始から3週間後
検証開始から4週間後
考察
すでに発生しているコケを減らす効果
上の写真を見てもらえば分かる通り、すでに発生しているコケを減らす効果はほとんどないと言えそうです。毎週少しずつガラス面の緑が薄くなっているので、効果が全くないわけではないと思いますが、ここはオトシンクルスやラムズホーン、ミナミヌマエビの効果もありますので、判断が難しいです。コケを減らす効果があるとしても、ガラス面が綺麗になるまでには、かなり時間がかかりそうです。
ただ、そもそもこの商品は、発生したコケを減らすとは謳っていないので、当然の結果ではあります。
新たに発生するコケの抑制効果
およそ1か月使用した結果、新たに発生するコケの抑制効果は、非常に大きいと感じました。この商品を使う前までは、2週間で水槽内が見えにくくなるほどガラス面にコケが発生していたのに対し、検証開始からの4週間では、水槽内が見えにくくなるどころか、すでに発生していたコケが若干薄くなっているくらいでした。
更に言えば、外掛けフィルター内や水上部から水が流れ落ちる部分など、本来ならコケが発生し得る場所でも全くコケが見られませんでした。
この結果を見ても、オトシンクルスやヤマトヌマエビなどのコケ取り生体の効果ではないことは一目瞭然であり、かなり高いコケ抑制効果があることがうかがえます。
生体への影響
今回の検証中、水槽内の生体が調子を落とすということはありませんでした。薬に弱いと言われるミナミヌマエビも元気です。また、水上部の植物についても、成長に影響は出ていません。この水槽には水草が入っていないので、水草への影響については不明です。
追加検証 更に2か月後
上記にて一応検証は終了したのですが、良好な結果であったため、そのままアルゴストップの使用を継続しました。そして上記の検証から2か月後(アルゴストップ使用開始から3か月後)の水槽の様子がこちらになります。
見ての通り、知らないうちにガラス面は驚くほど綺麗になっていました。コケ取り生体として、オトシンクルス、ミナミヌマエビ、ラムズホーンが少数入っていますが、それだけでここまで綺麗にはならないと思うので、やはりアルゴストップの効果が大きいと思います。時間はかかりますが、すでに発生しているコケに対しても、効果があると言えそうです。
結論
今回検証したテトラ社の『アルゴストップ』について、およそ1か月間、完全にコケを抑制することが確認できました。あくまで私の水槽の条件ではということにはなりますが、過密気味と思われる水槽でこの結果なので、他の様々な環境でも同様以上の効果を期待できるのではないかと思います。
※追加検証の結果、長期的に継続使用することで、すでに発生しているコケに対してもコケを減らす効果が見られました。
今回、水草がない水槽での検証となったので水草への影響は確認できておりませんが、生体メインの水槽であればかなりお勧めできる商品だと思います。
コケに困っている方は、一度使用を検討してみてください。