水草水槽に藍藻発生! 原因と対策は?

アクアリウムブログ、久しぶりの更新となります。今回記事にするのは、リビングに置いてあるこちらの水槽です。

こちらの水槽は設置場所のスペースの関係で、水草水槽であるにも関わらず、上部フィルターを使用しています。以前はしばらくの間無換水で維持していたのですが、現在は毎週1/3~1/2の水換えをしています。

毎週水換えを行う管理に変えてから現在3カ月、最初の水換え時は水質が大きく変動した結果、クリプトコリネが溶けたりテンプルプラントの下葉が落ちるなどの変化が見られましたが、水換えを定期的に継続することにより水質の変化は徐々に少なくなり、ここ最近はトラブルなく安定した状態をキープしていました。

この水槽の過去の経緯はこちらをご覧ください。

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水槽が安定していると記事にすることがなく、ブログの更新が滞ってしまいます。そのため最近はアクアリウムに関する記事を書けずにいたのですが、幸か不幸かここにきて問題が発生しました。何か管理方法を変えたわけではないのですが、急に『藍藻』が大量発生してしまい、何らかの対応をしなければなりません。そこで今回は、現在進行形で発生している藍藻への対応を記事にしたいと思います。

すでに結果が出たことを記事にするのではなく、対策の結果を現在進行形でこの記事に追記もしくは新しい記事にしていきますので、場合によっては間違った判断をして悪い結果が出る可能性も十分あります。その点は注意しながら読んでいただけると幸いです。

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藍藻発生前後の水槽の比較

藍藻発生前の水槽(2020/8/9撮影)

こちらはおよそ2週間前、藍藻が発生する前の水槽の写真です。

レイアウトの良し悪しは一旦置いといて、水草の状態は良くも悪くもなく、古い葉にはコケがついているものの新しい葉を展開しており、1カ月待たずにトリミングをしなければならないくらいの成長はしていました。ただ、古い葉についたコケが若干目立ってきたので、この写真を撮った後に少し多めにトリミングしています。

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藍藻が発生した現在の水槽の様子(2020/8/22)

そしてこちらが上の写真から2週間後の様子です。

この2週間で一気に藍藻が増殖し、ひどい状態になっています。

これまでもガラス面とソイルの間には藍藻が存在しており、広がってきたらオキシドールや木酢液で処理するということをしばしば行っていました。ただ、今回はこれまでに比べて増殖速度が比較にならないほど速く、場所もソイルとガラス面の間だけではなく、水草や溶岩石にまで広がっています。これまでこの水槽で、ここまで藍藻が広がったことはありませんでした。

この水槽で藍藻が急増した理由

藍藻が急増した原因を考えるにあたり、まず最初に現在の状況をまとめたいと思います。

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現状把握

水槽を立ち上げてからの期間

この水槽を立ち上げてからの期間ですが、およそ4年程度だと思います。元々底面フィルターを使っていたものを途中で上部フィルターに変更したので、半リセットみたいなことは行っています。ただ完全にリセットしたわけではなく、ソイルや水草はそのまま使ったので、ソイルの隙間には長年の汚れが溜まっている状態だと思います。

日々の管理方法

途中、無換水管理を試みた時期はありますが、直近3カ月間は毎週1/3~1/2の水換えを欠かさず行ってきました。水質チェックは気が向いたときにpHを測定するくらい。いつも6.5~7.0くらいです。また、2カ月に1度くらいの頻度でブログのネタ探しのためにtetraの6 in 1で水質をチェックしていますが、亜硝酸や硝酸、総硬度が上昇していたことはありません。KHはある程度あります。

「総硬度GHがゼロで炭酸塩硬度KHが高いなんてことあるの?」と思われるかもしれませんが、KHは実際はMgやCaを測定しているわけではないので、十分あり得ます。

硬度についてはこちらの記事で説明しています。ぜひご覧ください。

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藍藻の発生前後で、水槽の維持管理に関して変更した点は特にありません。水換えもサボってませんし、魚での給餌も今まで通りです。管理方法を変えたことで藍藻が増えたということはないと思います。

最近発生したいつもと違うこと

何か問題が発生したとき、管理方法を変えたなどの『変化点』や、いつもと違うことが起こってないかを考えることは非常に重要です。

この2週間で発生したいつもと違うことと言えば『油膜』の発生がありました。最初に紹介したように、この水槽では上部フィルターを使用しています。水槽の上にろ過槽があり、そこから水が落下してくる上部フィルターでは、エアレーションに近い状態になり水面が揺れるので、油膜が発生することはほとんどありません。裏を返すと、上部フィルターなのに油膜が発生したということは、相当な水質の変化があったことが想像できます。この油膜は数日間発生し続けました。この記事を書いている2020/8/24現在は、油膜は収まっています。

以上のことを踏まえて、藍藻発生の原因を推測したいと思います。

藍藻発生原因の推測

藍藻発生原因として、まず『藍藻がどこから来たのか』を考えたくなりますが、藍藻はコケではなく『シアノバクテリア』であり、地球上の至る所に存在しています。よほど注意して水槽を管理してない限り、シアノバクテリアの侵入は防げません。通常、ショップなどから生体や水草を導入する際に一緒に侵入することになると思います。ただし、シアノバクテリアが水槽に侵入したからといって、すぐさま藍藻が大量発生するわけではありません。ろ過がしっかり機能し、水が綺麗に保たれている水槽であれば、藍藻が大量発生することはあまりありません

そこで、藍藻がどこから侵入したかではなく、水槽内の藍藻がなぜ急に増加したのかを考えてみます。

推測① 水温の上昇

まず、この2週間で今までと最も変わったことと言えば『気温』です。私は水槽に水温計をつけていないので水温が上がった証拠となるものはありませんが、間違いなく上がっているはずです。

上の写真を撮影したのは2020年8月22日。この1週間は毎日35℃以上は当たり前で、昼間は40℃近くまで上がっているという記録的な猛暑でした。対策をしていない水槽の水温は、照明器具やポンプの影響で気温以上になります。この水槽はリビングに置いてあるので、人がいるときはエアコンである程度冷やされますが、外出していて誰もいないときなどは35℃以上になっていてもおかしくないです。魚やエビが死んだり調子を落としている様子はありませんが、水草の成長が止まって養分の吸収量が落ちたり、水槽内のろ過バクテリアが大量死してろ過能力が低下している可能性は十分考えられます。

実際、上の『最近発生したいつもと違うこと』に書いた油膜の発生時期は、気温が上昇した時期と一致します。気温の上昇に伴って水温も上昇して水槽内のろ過バクテリアが大量に死滅し、油膜が発生したと考えられます。

油膜が発生したということは、水槽内に藍藻が増殖するための栄養素が大量に放出されたということであり、高水温の影響で水草の活性が低下していることも重なって、藍藻の大量発生につながったと推測できます。

推測② ろ過内のろ材の目詰まり

上でも述べた通り、ろ過能力の低下はコケや藍藻の増加につながると言われています。仮に水温が上がっていなかったとしても、ろ材が目詰まりしてろ過能力が低下していれば、コケや藍藻の増殖につながる可能性があります。ただ、この水槽の上部フィルターは、5月にメンテナンスしたばかりであり、それほど深刻な目詰まりは起こっていないと考えています。

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ちなみに、過去の記事でコケ対策に有効と紹介していたリン酸除去剤は、現在使用していません。定期的に水換えを行っているのでリン酸の蓄積はないだろうとの考えからですが、暑さの影響で水草の成長が止まり栄養の吸収量が減っているのであれば、話が変わってきます。リン酸除去剤を使用した方が良い結果が出るかもしれません。

推測③ ソイルの目詰まり

三つ目は底床に使っているソイルの目詰まりです。先に書いたように、この水槽は立ち上げからおよそ4年が経過しています。その間、数十匹のカージナルテトラを群泳させたり魚メインの管理をしていた時期もあります。そのため、底床にはかなりの量の汚れが溜まっていると思います。水温が上がったことで、底床に溜まった汚れから養分が溶けだし、藍藻の増殖を引き起こした可能性があります。

藍藻への対策

対策① 上部フィルターのろ材交換

藍藻発生原因の推測で『水温の上昇』を一番に上げたのなら、水温対策からするのが当然と思われるでしょうが、今回は上部フィルターのろ材交換から手を付けることとしました。理由は、

  • 現状では油膜が収まっていること
  • 水温を下げるために使えるファンが手元になかったこと
  • 交換用ろ材が余っており、すぐに交換できること
  • 交換用ろ材に吸着系のろ材が含まれており、藍藻の栄養になる成分の吸着を期待できること

です。まあ、ファンが余っていれば使っていたわけで、ただの言い訳です。。。

まだしばらく暑い日が続きそうなので、ファンは購入しようと思っています。それまでの間にろ材交換の効果を見てみようという魂胆です。

底床の掃除は少し大掛かりな作業になりますので、実施は最後にしたいと思います。

ちなみに、今回交換したろ材はこちらです。

水槽の水温管理に関しては、こちらの記事に詳しく書いています。

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結果確認 上部フィルターろ材交換からおよそ10日後

9/3、上述したろ材交換よりおよそ10日後の写真です。

藍藻が減少しているとは言い難い、むしろ若干増えているようです。かといって勢いよく増殖しているわけでもありません。交換したろ材に吸着系のものが含まれていたため、水槽内の栄養分が減少しているのかもしれません。

このままにしておいても進展はなさそうなので、次の手を打つことにしました。

対策② 上部フィルターパワーアップ

上部フィルターのろ材交換をしたものの大した効果は得られなかったため、今度は上部フィルター自体をより能力の高いものに交換してみました。

ろ過能力を強化するとコケや藍藻が発生しにくくなるかについては、私自身、正直半信半疑です。ろ過能力が足りていないとアンモニアや亜硝酸濃度が上昇し、魚やエビの健康に影響するというのは理解できますが、アンモニアが増えるとコケが発生するかについては、十分な見識がありません。コケは水草よりもアンモニアや亜硝酸を養分として利用しやすいということでしょうか?

今回は良い機会なので、そういったことを確かめるべく、敢えて直接的な藍藻対策を取らず、間接的な方法を先に試しています。直接的な方法というのは、例えばオキシドールの添加などです。オキシドールが藍藻に効果があることは過去の実験で実証済みです。

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フィルターの変更についての詳細は、こちらの記事に記しています。

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結果確認 上部フィルター変更から1週間後

※注意:フィルター変更時に水草のトリミングも実施し、その際にある程度藍藻を物理的に除去しているので、ある程度藍藻が減った状態からスタートしています。その点は注意して読み進めてください。

ろ過フィルター自体を交換して、1週間が経過しました。藍藻の様子を見てみましょう。

物理的にある程度取り除いた後なので、前回の写真と比べると藍藻はかなり減っています。ただ、水槽の状態が悪いときは物凄い速度で藍藻が増殖するので、この程度で収まっているということは、改善に向かっていると考えても良いのかもしれません。ここらでオキシドールを添加してやれば、徐々に収まってくれそうな気もしますが、その前に水質改善だけで藍藻を駆除できないかを試す最後の検証を行いたいと思います。

対策③ リバースグレイン ソフト投入

最近話題になっているコケ対策製品で、『リバースグレイン』というものをご存知でしょうか?

私はコケ対策の商品はあまり信用しておらず、これまでもあまり使用してこなかったのですが、エーハイムの『リン酸除去剤』を使ってみて、リン酸を吸着する働きがあるものはコケの抑制にかなり効果があることは実感しています。この『リバースグレイン』は、『リン酸除去剤』同様にコケの原因となるリン酸などの物質を吸着する商品であり、かつ、私が過去に『リン酸除去剤』で失敗したpHの変動についても、『リバースグレイン』ではpHをあげるもの、下げるものの両方がラインナップされています。

ちなみに、私が過去に『リン酸除去剤』で失敗した内容については、こちらの記事に書いています。

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上の記事の内容を簡単に要約すると、

観賞魚飼育で使用されるリン酸吸着剤には、リン酸を吸着する際にpHが上昇するものとしないものがあり、水草が光合成に使用する二酸化炭素はpHが高くなると炭酸水素イオンに変化して光合成の効率が下がるため、pHが上昇しないタイプの吸着材を使用するのが望ましい

ということです。

こういった経緯もあり、pHが上昇しないリン酸吸着材を探していたところ、この『リバースグレイン』が見つかったので、今回試してみたいと思います。

結果確認 リバースグレインの効果

結論を言いますと、この水槽にリバースグレインソフトを使用した結果、藍藻を抑制する効果は見られませんでした。ただ、一緒に発生していたコケについては、増殖のスピードが抑えられたような気がしました。

これは上述②の上部フィルターパワーアップでも言えることですが、ろ過能力のアップや吸着材の使用で水質改善することによって、コケの発生を抑制できる可能性はあるが、すでに発生している藍藻を減らす効果はそれほど期待できないということです。

結論

藍藻は、一度発生すると水質の改善だけで駆除することは非常に難しいということがよく分かりました。水槽のリセットが最も確実な方法であることは間違いないですが、それができない場合は、水質の改善を行いつつ、オキシドールや藍藻駆除剤の使用、照明の見直しをするなど、多角的に対策を行うことが重要であると思います。

ただ、別の記事で報告しているレッドビー水槽では、オキシドールによる藍藻駆除を実施してから半年間、藍藻の再発は確認されていません。根気強く対策を継続することで増殖を抑え込むことは可能と思いますので、引き続き、藍藻対策を実施していきたいと思います。

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