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アクアリウム・テラリウム・パルダリウム・コケリウムの違い

アクアリウム、テラリウム、パルダリウム、コケリウム・・・。近年、○○リウムと呼ばれる様々なスタイルが提案され、植物を楽しむスタイルが多様化してきました。盆栽は海外でも注目されており、自然の一部を切り取ったような風景を家庭で小さく再現するスタイルが人気を集めています。

今回は、それぞれのスタイルの特徴を見ていきたいと思います。

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○○リウムの歴史

今から30年ほど前、私がこの世界に興味を持ち始めた頃は、『○○リウム』といった呼び方はそれほど一般的ではありませんでした。現在、ネイチャーアクアリウムを牽引しているADAも当時はまだなく、アクアリウムは水草水槽よりも熱帯魚など観賞魚の飼育がメイン。私が知らなかっただけかもしれませんが、外部フィルターやソイルが当たり前となっている現在の水草水槽のスタイルはまだ一般に浸透しているとは言えない状態でした。お店も『熱帯魚屋さん』と呼ぶ方がしっくりくる時代だったと思います。

では、いつ頃から『アクアリウム』という言葉が浸透してきたのでしょうか?

私の感覚では、水草水槽の人気が高まってきたころから、この『アクアリウム』という言葉が多く使われるようになってきたと感じています。『リウム(-arium)』には「~に関する場所」という意味合いがあります。水槽が魚を飼育するために使われるものから水中の空間を演出するものに変化してきたことで、『アクアリウム』という言葉が定着してきたのだと思います。『観賞魚飼育』というと、あくまで魚の飼育が目的で水草やその他の部分は二次的なものというイメージがありますが、『アクアリウム』では、魚も空間を演出する要素の一つになります。

したがって『アクアリウム』という言葉は、水草を使用しない魚メインの水槽でも、逆に魚を一匹も入れていない水草のみの水槽であっても使われます。

また近年では、水槽などの容器で水中以外の空間を演出することが増えてきました。それにともなって『アクアリウム』という言葉だけでは足りなくなり、様々な『○○リウム』という言葉を目にすることが増えてきました。

それでは早速、『○○リウム』と呼ばれるスタイルにどのようなものがあるか見ていきましょう。

○○リウムの分類

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ビバリウム

『ビバリウム』というのは、生き物や植物を育てる空間を指します。『ビバ(viva)』には『生きる』や『生命』といった意味があり、生命を育てる空間という意味でビバリウムという言葉が使われます。これから説明する『アクアリウム』、『テラリウム』、『パルダリウム』などは、『ビバリウム』の中に含まれると考えることができます。

アクアリウム

水槽の画像

『アクアリウム』とは、水槽などの容器で魚を飼育したり水草を育てることやそのための設備を指します。英語の『aquarium』は、家庭用の小さな水槽から水族館のような大きな施設まで幅広く指す言葉だと思いますが、日本語で『アクアリウム』という場合は、家庭で楽しむ水槽を指すことが多いです。

アクアリウムの主役は、水中に棲む魚やエビなどの生物、もしくは、水草や流木、石などをレイアウトした水中の風景になります。大抵の場合、陸地部分を作ることはありませんが、最近では『オープンアクアリウム』といって、水槽の上部にろ過フィルターや照明、ガラス蓋などを設置せず開放状態にし、水面から流木や水草の水上葉を飛び出させるレイアウトも人気です。また、人工的な置き物や飾りは使用せず、自然の風景を再現した水槽『ネイチャーアクアリウム』が主流となっています。

このように、メダカやエビなどの生き物がブームになるだけではなく、レイアウトの手法自体が流行りになっていることからも、アクアリウムがペットのカテゴリーを超えて、『インテリア・空間造り・癒し』といった方向に進化してることが伺えます。

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テラリウム

テラリウム

『テラリウム』とは、水槽などの容器内で陸上の植物や生物を飼育・栽培することです。アクアリウムが水中であったのに対し、テラリウムでは陸上が主役になります。トカゲやリクガメ、昆虫などを飼育する際にも使われます。観葉植物は一つの鉢で一つの植物を育てるのが一般的であるのに対し、テラリウムでは、一つの容器の中で複数の陸上植物を栽培するのが一般的です。従って、テラリウムでは、水槽などの容器の中に植物が生育できる環境を作ることが重要になります。

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アクアテラリウム

アクアテラリウム

一つの水槽内に陸上部分と水中部分を共存させたスタイルを『アクアテラリウム』と呼びます。水中ポンプで水を吸い上げて陸上部分から排出することで、滝を作ったり水が滴る空間を演出することが出来ます。アクアテラリウムには水が多く存在するため必然的に水槽内の湿度が上がります。そのため、多肉植物のような乾燥を好む植物は向いておらず、シダや苔など、湿潤な環境を好む植物が多用されます。

パルダリウム

パルダリウム

『パルダリウム』とは、テラリウムの中で特に湿潤な環境を好む植物を栽培するスタイルを指します。アクアテラリウムでは陸上部分と水を張った部分が共存しているのに対し、パルダリウムでは水を張った部分を作らないのが一般的です。そのため、パルダリウム用の水槽には、湿潤な環境を保つためのミストシステム、水槽の底に溜まった水を抜くためのドレイン、ガラス面の曇り防止用通気口など、アクアリウム・テラリウム用の水槽では見られない機構がついているものが多くあります。

コケリウム

コケリウム

『コケリウム』は、陸生の苔をメインにしたスタイルです。湿度を好む苔を使うことが多く乾燥が大敵であるため、比較的小さめの容器で密閉して管理することが多いです。苔は小さく繊細なものが多いため、小さな空間でも十分に群生した雰囲気を味わうことが出来ます。

まとめ

いかがだったでしょうか。上で説明した内容はあくまで大雑把な概念であり、それぞれのスタイルの間に明確な境界線はありません。自分の水槽が何リウムなのかということにはこだわらず、自分の思い描く空間を作り出すことが大切だと思います。

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