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アクアリウムとは

『アクアリウム』とは、水生生物や水草などを飼育・育成するための水槽などの設備、またはそれらを飼育すること自体を指します。

少し前までは、『アクアリウム』という言葉より、『熱帯魚飼育』という方が一般的だったように思えます。

今では熱帯魚に限らずその周辺まで範囲が広がってきているので、『観賞魚』という言い方をしたり、水草やエビ、水生植物なども含める意味で『アクアリウム』という言葉を使われることが増えてきました。

したがって、以前に比べて『アクアリウム』という言葉が指す範囲が広がっており、いざ飼育を始めよとショップに足を運んでも、商品の種類が多すぎて何を購入したら良いのか分からないというような状態になっています。

ここでは、アクアリウムにはどのようなものがあるのか、分かりやすく紹介します。

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水質による分類

アクアリウムには、使われる水によって淡水と海水の二つに分けられます。水槽やフィルターなど多くの器具は淡水と海水の両方で使用できますが、当然のことながら、一つの水槽で淡水魚と海水魚を同時に飼うことはできません。

飼育を始める際には、事前に淡水水槽にするか海水水槽にするかを決めておく必要があります。

淡水水槽

淡水水槽の画像

川や池などの塩分を含まない淡水域に生息する魚やエビ、水草を楽しむための水槽です。基本的には水道水をそのまま使えるため、比較的簡単に始めることができ、初期投資・ランニングコストともに安く抑えることが出来ます。

淡水魚の方が海水魚よりも普及しているため、魚種や器具の品揃えも豊富です。

アクアリウム初心者の方は、よほど海水水槽にこだわりが無い限り、淡水魚の飼育から始めるのが良いと思います。

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海水水槽

海水水槽の画像

海に生息する魚や珊瑚、イソギンチャクを飼育するための水槽です。淡水魚にはない鮮やかな色彩をした魚が多くいるのが魅力で、青白くライトアップされた水槽は癒し効果も抜群です。

その一方で、水槽の維持管理は淡水に比べ難しくなります。海水専用の道具や強い照明が必要であったり、人工海水も必要になるため、初期投資・ランニングコストともに高くなります。とはいっても、季節や水槽サイズにもよりますが、ランニングコストについては、淡水で1,000円/月、海水でも2,000円/月程度ですので、それほど身構えることはありません。

目的による分類

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飼育を楽しむ

一般的にアクアリウムはペットのカテゴリーに含まれることが多く、魚の飼育を楽しむことが基本となります。一言で魚と言っても、メダカのような数cmのものから、アロワナやガーのような1m近くになるものまで様々です。

ペットショップで購入できる魚種の中で、特に人気の高いものを一部紹介します。

金魚

金魚

金魚はホームセンターでも販売していることが多く、最も手軽に入手できる魚の一つです。金魚はフナの仲間であり、原産地は中国です。和金、琉金、ランチュウなど多くの改良品種が存在します。熱帯魚ではないためヒーター無しでも飼育できますが、水温が15℃以下になると活動が鈍くなるため、年間通して元気に泳ぐ姿を鑑賞したい場合は、ヒーターの使用をお勧めします。

メダカ

水槽で飼育できる日本の魚の中では、最もポピュラーな魚になります。最近は品種改良が進み、赤や青、黒のメダカや、鯉のような三色のものなど様々です。日本の魚なのでヒーター無しでも飼育できることや、繁殖も容易であることから、初心者向けでありながらも愛好家が多い魚種になります。

日淡

日淡とは、タナゴやドジョウ、ハゼなど、日本の淡水魚の総称です。熱帯魚や海水魚のような派手さはありませんが、洗練されたような渋い美しさがあります。水草水槽よりも渓流を再現したような石組みレイアウトで飼育すると、その美しさが際立ちます。

コリドラス

コリドラスの画像

コリドラスとは、南米に生息する小さなナマズの仲間です。体長は3~5cm、大きい品種でも10cm程度で、水槽で飼育しやすい魚です。性格が温和でどんな魚とも混泳できることや、品種のバリエーションが豊富で流通量も多いこと、価格が手頃であること、愛嬌のある外見と動きで見ていて飽きない等の理由で、非常に人気の高い魚種になります。底に沈んだ餌を食べることから『水槽の掃除屋さん』と紹介されることが多いですが、十分水槽の主役になれる魅力を持つ魚です。

ポリプテルス

ポリプテルスは古代魚と呼ばれる魚の一種で、ドジョウのような外見をした比較的大型の魚です。太古の昔から姿形をほとんど変えていない龍を想像させるその外見は、独特でとても魅力的です。小型の品種でも30cmくらい、大型のものだと1m近くになるので、大型の水槽が必要になりますが、非常に丈夫な魚なので飼育は容易です。代表品種である。『エンドリケリー・エンドリケリー』は、有名アイドルのプロジェクト名にもなっているので、聞いたことがある方も多いと思います。古代魚の中では最も流通量が多く、容易に入手可能です。

アロワナ

アジアアロワナの画像

アロワナの仲間にはいくつかありますが、高額な魚として知られるアジアアロワナが最も有名です。龍魚とも呼ばれ、優雅に泳ぐ姿やその独特の風貌から愛好家から非常に人気があります。50cm以上に成長するため飼育には大型の水槽が必要になります。

繁殖を目指す

ペットショップなどで入手できる魚の中には、水槽内で繁殖可能なものもいます。上で紹介したメダカ、コリドラス、ポリプテルス、アロワナも、難易度は異なるものの水槽内で繁殖可能な魚になります。自宅の水槽で新しい命が誕生するというのは長年アクアリウムをやっていても特別なことであり、大きな喜びを感じる瞬間でもあります。

エビ類

レッドビーの画像

水槽で飼育できるエビには様々な種類がいます。その中で、ミナミヌマエビやチェリーシュリンプ、ビーシュリンプなどは大卵型と呼ばれ、淡水で繁殖させることが出来ます。一方で、ヤマトヌマエビのような小卵型のエビは、卵から孵化した幼生が一度海に下り、成長した後に川に戻るという生態であるため、自宅で繁殖させるには汽水(海水と淡水の中間)で飼育する期間を設けなければなりません。また、汽水を準備したとしても成長させるのは非常に困難です。エビの繁殖を狙いたいのであれば、大卵型のエビを飼育しましょう。

大卵型のエビは水槽で飼育していれば、特別なことをしなくても自然に繁殖して増えていきます。ただし、産まれたばかりのエビは非常に小さく、魚の格好の餌食になります。繁殖を狙うのであれば、エビだけで飼育する、もしくは、隠れ家となる石、水草を多く入れるのが良いです。

グッピー

グッピーの画像

グッピーはミリオンフィッシュと呼ばれるほど、繁殖が容易な魚です。その理由は、グッピーの繁殖方法にあります。グッピーは卵胎生メダカ(正確にはカダヤシの仲間)の一種で、日本のメダカのように卵を産むのではなく、体内で卵を孵化させて稚魚を直接産みます。産まれた稚魚はすぐに泳いで物陰に隠れることが出来るため、外敵から襲われるリスクが低くなります。また、グッピーの稚魚は比較的早い段階で人工餌を食べることが出来るようになるため、特別な餌を準備する必要がありません。このような理由から、グッピーは最も繁殖が容易な魚の一つと言えます。

また、グッピーは他の魚とは異なり、異なる色や模様のオスとメスを掛け合わせて新しい色・模様を作り出すという楽しみ方ができます。初心者から上級者まで幅広く楽しめる魚です。

エンゼルフィッシュ

エンゼルフィッシュの画像

エンゼルフィッシュは、グッピーやネオンテトラと並んで、熱帯魚を代表するポピュラーな魚です。この魚の特徴は、親が子育てを行うということです。卵を産み付けてから孵化し泳ぎだすまでの間、親が子供の近くに留まり、他の魚を近づけないように守ります。子供を世話する姿は非常に微笑ましいものです。

ディスカス

ディスカス

ディスカスは『熱帯魚の王様』とも呼ばれる、とても鮮やかで美しい魚です。エンゼルフィッシュと同様シクリッド科に属する魚で、やはり子育てをします。特徴的なのはその子育て方法で、まだ餌を食べることができない小さな稚魚は、親の体から分泌される『ディスカスミルク』と呼ばれる粘液を摂取して成長します。

他の魚と比べ飼育難度は少し高めですが、経験を積めば水槽内で十分繁殖を狙える魚です。

インテリアとしてのアクアリウム

アクアリウムは魚を飼育するだけではなく、インテリアとしての機能を十分に兼ね備えています。リビングに観葉植物を置くのと同じように、部屋や玄関に水槽を置くことで、その空間の雰囲気を一変させる力があります。

色鮮やかな魚を主役とする

熱帯魚

『熱帯魚飼育』と聞いて一番に想像するのが、色鮮やかな小型の熱帯魚を群泳させている水槽だと思います。一部、混泳に向かない気性の荒い魚や好む水質が異なる種類が存在しますので、混泳される前に良く調べるか、店員さんに確認してから購入しましょう。

自然を切り取ったような美しい水景を楽しむ

最近では『ネイチャーアクアリウム』と言われる、自然の風景を切り取ったかのような水槽が人気です。近年、海外では盆栽(bonsai)が非常に人気がありますが、ネイチャーアクアリウムは盆栽の水中版と言えるかもしれません。

ADAが主催する世界水草レイアウトコンテストでは、毎年、世界中から多くの作品がエントリーされており、これらの作品を見て水草水槽を始めたという方も多いのではないかと思います。

IAPLC 2024 | 世界最大の水草レイアウトのコンテスト

世界最大の水草レイアウトのコンテスト…

まとめ

いかがだったでしょうか。アクアリウムには様々な形・方法があり、人それぞれ楽しみ方が異なります。自分に合ったスタイルを見つけて、自分流のアクアリウムライフを楽しみましょう。

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